コンセプト
はじまりは、子どもの頃の本の中
小さい頃から本を読んではひとり、空想していました。昔噺から童話、絵本。その中で特に強烈な印象だったのは宮沢賢治。
トパァスはツァラツァランとこぼれて
下のすずらんの葉に落ち、
それからきらきらころがって
草の底の方へもぐって行きました。
「十力の金剛石」 宮沢 賢治より
「やまなし」の金雲母のかけら、「春と修羅」の光パラフィン、「銀河鉄道の夜」の燐光の三角標。
子どもには少し難解な言葉たち。それでも目の前に生き生きと広がる情景は質感をともなう存在でした。
そんな自分だけの情景を手に入れた子どもの私は、賢治の童話を読んではたくさんの石たちを頭の中で作り出し、童話の登場人物たちと一緒に遊んでいたのです。
それは例えば、銀河ステーションの河原でジョバンニと掘り出した鉱石、あるいは蟹の親子と川底から見上げた青白い月光の揺らぎ。
宇宙から来たアンティーク
遠い、遠い、宇宙の星たちから届く、光のかけらを一粒の石に閉じ込めたような輝き。
そんな子どもの頃の空想の産物を、樹脂素材に光の彩色を施すことで生命を宿したような輝きの石へと仕上げています。
こうして手作業でひとつずつ作り出した「空想石」をベースに、鉱物などの天然素材を組み合わせて装身具に仕上げています。
永く着けて欲しいから。着せ替え出来る装身具たち
想いを込めてひとつずつ製作しているから、作り手と一緒に長く楽しんでもらいたい。
cuff-ifのスタート時から展開している「着せ替え出来る装身具たち」。
ほとんどのアイテムを着せ替えが出来るデザインで製作しています。
まずは気に入ったアイテムを一つ。次にまた気に入ったアイテムを買い足して先に購入していたアイテムと組み合わせる。
お手持ちのアイテムをベースに他のアイテムとも合わせながら、自分だけのセットアップを作り上げていく。
「捨てずに買い足し、ずっと使い続ける」
ことを念頭にした結果です。
私自身、地球環境に負担が少なく動植物にも被害が少なく生産過程で犠牲を強いない世界になって欲しいし、自分もそういう選択をしたいと思い可能な限り行動に移しています。
しかしものを生み出す限り、地球環境に負担をかけています。なにも生み出さないことが一番のサステナブルと言っていいかもしれません。
アイテム一点一点に意味があり、永く使い続けることでさらに深みを増していく。
ものを生み出す者として、そんな装身具を提唱することが持続可能な社会を実現する方法の一つだと考えています。
そんなサステナブルな使い方と身に着けるシーンを目指し、作り手の私自身もお客様と共に歳を重ねていきたいと考えています。
共に年月を重ねていく、短期間で消費されない装身具を。
cuff-ifは全て日本製。日本の繊細なもの作りをお届けします。
プロフィール
Designer/Maker: YAMAKAWA Shoko
2017年、「月光を浴びた水の底をうごめく光」をイメージに、独学で作り出した「空想石」をメインにしたアクセサリーの製作を始める。「月光を浴びた水の底をうごめく光」のイメージは宮沢賢治の童話「やまなし」より。
製作のきっかけは、製作者が金属アレルギー持ちのため長年コレクションしているアンティーク/ヴィンテージジュエリーが着けられなかったこと。
そんなジュエリーたちを一旦パーツに分解、その分解したパーツを使って金属アレルギーでも使える新たなジュエリーや小物を製作するアップサイクルを始めたことより。
ブランド名は、トリプルミーニング。
1. イヤリング /ピアスの総称である ”ear cuff” に自由に想像して組み合わせられるように”if” をプラスした造語「cuff-if」より。
2. 影響を受けている宮沢賢治の童話「やまなし」の一節、「クラムボンはカプカプ笑ったよ」の一節より似た響きを。
3. 製作者の家族(犬と猫)の名前のアナグラム。2つの名前を混ぜると日本語読みの「カフイフ」。
2018年 1月 ルミネ新宿にてPOP UP STORE
2019年 1月 名古屋PARCO(名古屋市)にてPOP UP STORE
2019年 10月 合同展示会「PLUG IN」(渋谷ヒカリエ9F ヒカリエホール)に出展
2019年 12月 銀座歌舞伎座にて期間限定取り扱い
2020年 1月 大島紬美術館(大阪府池田市)にて帯留めの取り扱いスタート
2020年 12月 NEW JEWELRY / JEWELRY WEEK 2020 出展(博多阪急会場)
2023年から 地元長崎にて百貨店などでPOP UPを定期的に開催
今後は販路を県外へも展開していく予定